「留年しそう…」と思ったら11月中にやるべき5つのこと【大学職員が解説】
(新入生)
まどさん……後期、ちょっと授業をサボりすぎちゃって。友達に「それ留年するんじゃない?」って言われて、急に怖くなってきました。
不安になるよね。でも、11月の今ならまだできることはたくさんあるよ。一番よくないのは、怖くて現実を見ないまま1月を迎えてしまうこと。今日は「今やるべきこと」を5つに絞って一緒に確認しよう。
こんにちは、中堅私大で職員をしている「まどさん」です。
毎年11月から12月にかけて、窓口には「留年しそうです」という相談が増えてきます。そして2月の成績発表のあとには、「もっと早く相談していれば…」という声も。
留年するかどうかは、多くの場合後期の試験やレポートが始まる前の、今の行動で変わります。
この記事では、「留年しそう」と感じたときに11月中にやってほしい5つのことを、窓口で実際にお伝えしている順番で紹介します。
1. 進級・卒業の「条件」を正確に確認する
まずは敵を知ることから!意外と、自分の大学の進級条件を正しく知らない学生さんが多いんだ。
大学によって、留年の決まり方は大きく違います。
- 進級要件がある大学:「2年次終了時に○単位以上」「必修科目○○の単位を取得」など、学年ごとに条件があります。
- 進級要件がない大学:学年は上がり、4年生の最後に卒業要件を満たせるかどうかで決まります(いわゆる「卒業延期」)。
- ゼミや卒業研究の着手条件:「3年次までに○単位取得していないと卒業研究に入れない」という条件がある学部もあります。
確認する場所は、入学時にもらった履修の手引き(学生便覧)や、大学のポータルサイトです。わからなければ、学部の窓口で「自分の学年の進級要件を教えてください」と聞けば教えてもらえます。
2. 「今から取れる単位」を計算する
条件がわかったら、次は計算です。紙に書き出してみましょう。
| 確認すること | 例 |
|---|---|
| 進級に必要な単位 | 2年次終了時に60単位 |
| 今までに取れた単位 | 前期までで44単位 |
| 後期に履修している単位 | 22単位 |
| 足りない単位 | 60−44=16単位 |
この例なら、後期の22単位のうち16単位を取れれば進級できます。「全部取らなきゃ」と思っていたのが、「6単位分は落としても大丈夫」とわかるだけで、気持ちが少し楽になりますよね。
(新入生)
計算したら、思ったよりまだ望みがありました……!
でしょ?逆に、どう計算しても足りない場合も、早めにわかれば次の手が打てるんだ。
3. 科目ごとに「挽回できるか」を見極める
次に、後期の科目を一つずつ見ていきます。シラバス(授業計画)の「成績評価の方法」を確認しましょう。
- 期末試験の比重が大きい科目:今から試験勉強をがんばれば挽回できる可能性が高い
- レポートの比重が大きい科目:締切までに質の高いレポートを出せば挽回できる
- 出席の比重が大きい科目:欠席回数によっては厳しいことも(「3分の2以上の出席が必要」などの決まりがある場合も)
「挽回できる科目」に時間と力を集中させるのが、11月からの戦い方です。
4. 先生に相談する
欠席が多い科目や、内容がわからなくなっている科目は、先生に直接相談するのが一番の近道です。
- 授業の後や、先生のオフィスアワー(質問を受け付ける時間)に行く
- メールで「欠席が続いてしまったが、今から何をすればいいか相談したい」と伝える
「今さら行っても怒られる」と思うかもしれませんが、多くの先生は、相談に来た学生には今からできることを教えてくれます。何も言わずに試験だけ受けるより、ずっと可能性が広がります。
先生へのメールの文例
件名:○○論の今後について(○○学部○年 氏名)
○○先生
○○学部○年の(氏名)です。
後期の授業を何度か欠席してしまい、単位の取得について不安を感じています。
今からできることがあれば、ご助言をいただけないでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
5. 親に早めに伝えておく
留年すると、学費や奨学金にも影響が出ることがあります。だからこそ、結果が出る前に親に話しておくのがおすすめです。
- 留年すると、もう1年分の学費がかかる場合が多い
- 奨学金は、成績によって停止や打ち切りになることがある
- 2月に突然「留年した」と伝えるより、今「がんばっているけど危ないかもしれない」と伝えるほうが、親も受け止めやすい
窓口では、親御さんから「もっと早く言ってくれれば」という声を本当によく聞くんだ。言いにくいけど、今がいちばん伝えやすいタイミングだよ。
親への伝え方のコツ
いきなり「留年するかも」と言うと、親も驚いてしまいます。次の順番で話すと、落ち着いて聞いてもらいやすくなります。
- 今の状況:「後期、授業を休みがちになってしまって、単位が足りなくなりそう」
- わかっていること:「進級にはあと○単位必要で、今から取れる可能性がある科目は○つ」
- 自分がやること:「先生にも相談して、試験とレポートでがんばるつもり」
- お願いしたいこと:「もし留年になったときのことも、一緒に考えてほしい」
「どうしてサボったの」と言われても、言い返さずに、まずは「これからどうするか」を一緒に考えてもらうことを目標にしましょう。どう話せばいいかわからないときは、大学の窓口で一緒に考えることもできますよ。
留年するとどうなる?知っておきたいお金と手続き
(新入生)
もし留年したら、具体的に何が変わるんですか?
一番大きいのはお金のことだね。知らないまま2月を迎えると慌てることになるから、今のうちに確認しておこう。
学費
留年すると、多くの大学ではもう1年分の学費がかかります。大学によっては、残りの単位が少ない場合に学費が減額される制度や、半期ごとに卒業できる制度(9月卒業など)があることもあります。自分の大学の制度を、学生便覧や学費の窓口で確認しておきましょう。
奨学金
奨学金を受けている人は特に注意が必要です。
- 日本学生支援機構などの奨学金は、成績や留年によって支給が止まったり、打ち切られたりすることがあります。
- 給付型の奨学金や、授業料の減免を受けている場合も、成績の基準を満たさないと支援が受けられなくなることがあります。
- 大学独自の奨学金にも、それぞれ成績の条件があります。
「どうなるかわからなくて怖い」ときこそ、奨学金の窓口で早めに確認してください。条件を知っておけば、どの科目を優先すべきかもはっきりします。
生活の計画
一人暮らしの人は、家賃や生活費も1年分多くかかります。アルバイトの予定や、親からの仕送りについても、早めに家族と話し合っておくと安心です。
11月から1月までのスケジュール例
「何から始めればいいかわからない」という人のために、今日から試験までのスケジュール例を作ってみました。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 11月前半 | 進級・卒業の条件を確認し、足りない単位を計算する |
| 11月後半 | 挽回できる科目を決め、先生に相談する。親に状況を伝える |
| 12月 | 出席を立て直し、レポートの準備を始める。冬休みの計画を立てる |
| 1月 | レポートを提出し、試験勉強に集中する |
| 2月 | 成績を確認し、必要なら次年度の履修計画を立てる |
ポイントは、12月のうちに出席とレポートの準備を立て直しておくことです。1月に入ってから全部を挽回しようとすると、時間が足りなくなってしまいます。
窓口でよく聞かれる質問Q&A
Q1. 「仮進級」ってなんですか?
大学によっては、進級の条件を少しだけ満たしていない場合に、条件付きで次の学年に進める「仮進級」の制度があります。ただし、制度があるかどうか、どんな条件かは大学や学部によって大きく違います。「うちの大学にはありますか?」と学部の窓口で聞いてみましょう。
Q2. 留年すると就職活動に不利になりますか?
1年の留年だけで、就職活動が大きく不利になることはそれほど多くありません。大切なのは、面接で聞かれたときに「その1年で何を考え、どう立て直したか」を自分の言葉で説明できることです。留年した年を、資格の勉強やインターンシップなど、前向きな経験に使うこともできます。
Q3. 試験の日に体調を崩してしまったら?
多くの大学には、病気や事故などやむを得ない理由で試験を受けられなかった人のための「追試験」の制度があります。診断書などが必要になることが多く、申し込みの期限も短いので、試験を欠席したらすぐに学部の窓口に連絡してください。
もし留年が決まってしまったら
できることをやっても、どうしても単位が足りないこともあります。でも、留年は人生の終わりではありません。
- 2回目の学年で、確実に単位を取る計画を立て直す
- 休学や転部など、別の選択肢を考える
- 留年した年を、資格やアルバイト、自分を見つめ直す時間に使う
学費や奨学金、休学の手続きには期限があるので、迷ったら早めに大学の窓口に相談してください。
まどさんからのアドバイス
「留年しそう」と感じたとき、一番の敵は「どうせ無理だ」とあきらめてしまう気持ちです。
条件を確認して、計算して、できる科目に集中する。それだけで、結果が変わる学生さんを私はたくさん見てきました。
もし、授業に行けない日が続いていて、そもそも動き出すのがつらいという人は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
ひとりで悩まず、11月のうちに窓口に来てね。一緒に計算しよう!
※進級・卒業の条件や成績評価の方法は、大学・学部によって異なります。必ず自分の大学の履修の手引きやシラバスを確認してください。


